水晶探しの魅力をたっぷり伝えてくれています。まず表紙の絵、そしてページをめくっても巨大な水晶が目立ちますが、この本に登場する家族には小さな水晶でも、これぐらい大きく感じるのかもしれません。それほど親子三代で水晶にはまりこんでいるのです。
仙人のような風貌のじいちゃんは水晶とり65年の大ベテラン。3人で山に登った或る日のこと、ぼくは幸運にも大きな水晶がたくさんある[がま]を見つけ、「ヤッホー」と3回くりかえして叫びました。それが発見したときの合図です。宝石のトパーズもでてきました。そこは地下深くでマグマがゆっくり冷えたときに鉱物が結晶となり、年を経て地上に頭を出したところです。川の中から3人でも抱えきれない大水晶も発見しました。
実際には、このようにはうまくは行かないでしょうが、キラキラ輝く小粒の水晶を見つけても宝物になるでしょう。この家族が大事にしている7項目の[水晶を見つけるひけつとこころえ]は、水晶や鉱物を掘るに当たって大いに参考になるでしょう。残念ながら絶版です。図書館で手にとってみてください。
科学読物研究会 平井 崇子
みなさんは〈水晶〉というのを見たことがありますか。たいていは、六角のとんがりぼうしの形をした、とてもきれいなすきとおった鉱物です。今は、この水晶はふつうの山ではなかなか見つかりませんが、昔は日本でもあちこちで採れました。そして、子どもたちも、水晶採りをよくしたものです。
この本は、そんな水晶採りの楽しいお話です。水晶とり65年の大ベテランのおじいちゃんと、水晶山にくわしいおとうさんと、水晶採り3年目の晶夫くんとが、そろって水晶採りに出かける話です。読んでいくと、ついつい自分も水晶採りをしているような気分になります。
「ほってほってまたほって、なかなか見つからないから おもしろい。」さあ、みなさんもこの本といっしょに、楽しい水晶採りを体験してみましょう。
科学読物研究会 西村寿雄