「細菌ホテル」は、小学生の女の子の体の中にあります。女の子の体をホテルに細菌たちをお客さんに見立てて、細菌たちの働きを紹介している絵本です。そのホテルを案内してくれるのが、ユニークな絵で擬人化された大腸菌です。様々な細菌を擬人化し、人体の内部も漫画調にモデル化して表現されています。
人間の体の中には、たくさんの細菌がいます。この女の子の体重は30kgですが、そのうちの3kg、体重の10分の1が細菌の重さだとは驚きです。自分の体の中にそんなに細菌たちがいることを知った女の子が、大腸菌に細菌たちが体の中でどんな働きをしているかを教えてもらいます。
まずは、体のどの部分に細菌がいるのか、そしてそれらの細菌は体の中でどんな働きをしているのかを教えてもらいます。体内には役に立つ細菌ばかりではなく、病気の原因になる病原菌も時には入ってきます。その時は、体の中にいる免疫細胞がやっつけてくれますが、免疫力が弱まっていると病原菌に負けてしまい、病気になってしまうことも教えてくれます。だから、よく食べて、よく遊んで、しっかり寝て元気でいることの大切さも伝えてくれています。そして、免疫細胞で対抗できない時に登場するのが、抗生物質なのですが、抗生物質を多用すると問題が起きることも伝えてくれています。
最後のおまけのページでは、細菌とウイルスの違いについても説明しています。この本で、自分の体の中で行われていることを知り、健康な体のために必要なことを学んで欲しいです。
科学読物研究会 金澤磨樹子