2022年に『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版』*1(以後『LIVE』)が発売されました。本書は、『LIVE』作りに没頭した昆虫学者・丸山宗利さんと、昆虫図鑑への熱い思いをもった総勢50名の仲間の1年間の奮闘記です。 『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』丸山宗利/著幻冬舎2022年9月発行1200…
これまでも『野生動物と共存できるか』(2006年)や『動物を守りたい君へ』(2013年)など野生動物との関わりについて中高生に向けて語りかけてきた筆者。今回も題名から察せられるように、ヒトと野生動物との関わりについての考察なのだが、この本がこれまでのものと趣きが少し異なるのは、これまでのものは主…
菌類と聞いてどんなものをイメージするでしょうか。食卓に並ぶシイタケ? お風呂場に生える黒いカビ? 病気をひき起こす細菌と混同されたり、じめじめした場所を好むことから、汚い、怖いといったイメージもある菌類。動物でも植物でもない不思議な生物ですが、私たちにとって最も身近な存在でもあるのです。菌類は、…
晴れた日に夜空を眺めると月や惑星を見ることができるでしょう。じゃあ、小惑星は?と言われると、これは難しいにちがいありません。歴史上、初めて小惑星が見つかったのは19世紀の始めのころでした。当時、火星と木星の軌道の間があきすぎていて星がないのは不思議だというので、星を探すことにしたのでした。イタリ…
農家にとって頭が痛いのが雑草と害虫です。農薬を使えば害虫を退治できるものの、使い続けると害虫に農薬に耐える力がつき、さらに強い農薬が必要になってきます。農薬がかかった野菜は食べたくないという人もいます。そこで登場したのが天敵農法です。天敵農法とは、農薬のかわりに、生きものを利用して作物を守る取り…
私は小学校で理科を子どもたちに教えています。時々、授業で白衣を着ると子どもたちは「先生、科学者みたいだね。」と喜んでくれます。また、フラスコなどのガラス器具の実験も子どもたちが喜びます。それらの器具を使う時、子どもたちは「科学者になったみたいで楽しい」と言います。どうやら子どもたちの科学者のイメ…
AIやロボットに拒絶反応を示してしまう私は、表紙の分身ロボットの写真にもうさんくささを感じて、すぐに本を手に取る気になれなかった。数年前に老人ホームで見た愛玩犬ロボットを思い出して、切なくなってしまったのだ。。 『オリヒメ 人と人をつなぐ分身ロボット』吉藤オリィ/著 加藤悦子/文こどもの未…
<はじめて読む科学者の伝記>は、日本の科学者を紹介するシリーズで牧野富太郎、中谷宇吉郎、池田菊苗に続く最終巻が猿橋勝子です。『中谷宇吉郎』は、2021年11月号のこのコーナーで紹介されています。人物像だけでなく、研究内容や実験の様子も解説されているのが興味深いです。勝子は研究の功績ともに、猿橋賞…
大海を悠々と泳ぎ、巨体から大きな潮を噴き上げるクジラ。中でも体重160トンにもなるシロナガスクジラは、地球上で最大の生物です。こんな大きさの生き物が人と同じ哺乳類であり、今も私たちと同じ時を生きているということが不思議なくらいです。また、深海をえさ場としているマッコウクジラは、海面から1000メ…
表紙には見たこともない生きものの写真があります。白地に黒い縞々もよう、そして白い突起がたくさん出ています。これはハナビラダカラというタカラガイが生きているときの姿だそうです。この貝は、水中では外套膜で貝殻をすっぽりつつんでしまうので、貝殻はほとんど見えません。タカラガイの貝殻がツヤツヤしているの…