「電気図鑑」とありますが、楽しいイラストと実験でデンキ読み物としても楽しめます。小学3年生以上が対象となっていますが、大人にとっても面白く読み応えがあります。 『小学生からの電気図鑑』TDG電気指導会/著、佐伯英次/絵、オーム社、2022年7月、2000円+税 本書の主魚公ウナビリーは…
人喰いザメ「ジョーズ」の映画で有名なホホジロザメ「ホオジロサメ」の生態を描いた絵本です。オットセイに気づかれないように真下から一気に上昇して噛みつく場面は迫力満点です。 『ホホジロザメ』<福音館の科学シリーズ>沼口麻子/文、関俊一/絵、福音館書店、2022年6月、1800円+税 「ホオ…
タイトルの「もしも地球がひっくり返ったら」が、最初の「もしも」として登場します。地球の磁極が過去に何度も逆転していることや、千葉県にある地層が地磁気逆転の証拠として世界に認められ、地質年代区分に「チバニアン」が加えられたことなどが説明されているのだろうと思いながらページをめくると、「あらゆる〇〇が…
私は小学校で理科を子どもたちに教えています。時々、授業で白衣を着ると子どもたちは「先生、科学者みたいだね。」と喜んでくれます。また、フラスコなどのガラス器具の実験も子どもたちが喜びます。それらの器具を使う時、子どもたちは「科学者になったみたいで楽しい」と言います。どうやら子どもたちの科学者のイメー…
「2020年1月、チバニアンという時代が誕生した。はじめて日本の地名が地球の歴史に刻まれた瞬間だ」で始まるこの本は、「チバニアン」という名前が誕生するまでの物語です。 『チバニアン誕生』岡田誠/著 ポプラ社 2021年6月発行 1500円+税 チバニアンは訳すと「千葉時代」という意味で…
世の中に出回っている紙の中で、一番身近な紙といえば、トイレットペーパーではないでしょうか?この写真絵本では、トイレットペーパーを学校の廊下を使って実際に長く伸ばしてみたり、ペットボトルの水をすべて吸わせてみたりと、普段とは違う使い方で色々な実験をしています。簡潔な文章で小学校低学年から楽しめ、トイ…
この本の著者は、トイレにウンコをする意味を真剣に考えた結果、「糞土師(ふんどし)」として40年以上ノグソを続けてきました。食べた命を自然に還すことにつながるからです。 『ウンコロジー入門』(偕成社、2020年)伊沢正名/著、偕成社、2020年1月、1500円+税 ノグソあとには様々な生…
この絵本は、明治初期から150年にわたる「谷戸のくらし」の変遷を描いたものです。1軒の農家を中心にすえ、15場面にわたってその日常が事細かく描きこまれています。モデルとなったのは、東京都多摩市にある多摩センター駅近辺。そこは、八王子市から町田市、川崎市に至る多摩丘陵と呼ばれる、谷戸(雑木林などに囲…
表紙、それにつづく数ページにわたってちりばめられた、虹色のガラス細工。形もさまざまで、不思議な美しさ。これらは0.1ミリにもみたない珪藻の殻をならべた顕微鏡写真です。作品をつくった著者の奥修さんは、珪藻の研究者で、このように珪藻をならべた作品(珪藻アート)をつくる人は世界に数人しかいないそうです。…
北海道の富良野に住む石黒誠さんが雪虫(トドネオオワタムシ)の生態を写真と共に説明している絵本で、昆虫が好きな小学3年生から大人まで楽しめます。 『雪虫<たくさんのふしぎ傑作集>』(福音館書店、2021年)石黒誠/著、福音館書店、2021年3月、1300円+税 雪虫と言えば、『しろばんば…